例会報告

第597回5月大会

 
日 時 : 平成20年5月16日(金)
場 所 : 京都全日空ホテル
講 師 : 横江 友則氏 (株式会社スルッとKANSAI  代表取締役専務 )
テーマ : 「スルッとKANSAIの取り組みと今後の展開」 
 

第597回5月大会は株式会社スルッとKANSAI代表取締役専務の横江友則氏を講師としてお招きし、京都全日空ホテルにて開催されました。 今や電車やバスを利用する人の必需品となった「スルッとKANSAI」、なぜこのようなネットワークが必要になったか、今後どのような未来があるのかをお話して頂きました。

■鉄道・バスの利用促進
*鉄道・バスに乗るということは目的ではなく手段にすぎない  
*利用促進のための提携
   ・大阪周遊パス:提携した大阪の商業施設にも金銭が入る仕組み
          800円のラーメンを食べに2000円の交通費をかけて行く構造ができる
   ・クアハウス(お風呂屋さん)とのタイアップ
*交通共通乗車チケット+情報提供⇒win-win関係

■スルッとKANSAIネットワーク  
*旅行代理店と契約    宿泊費+新幹線の乗車券+スルッとKANSAI セットで発売  
*外国人向け乗り放題チケット(KANSAI THRU PASS)の発売   
   ・日本のラーメンは中国・韓国人に人気    →ラーメン屋と提携  
*マーケット:関西→全国→世界へ

■スルッとKANSAIの組織  
*バス祭:7年前スタート   毎年9月開催 ・5万人集客
       “電車は集まれないがバスは集まれる”  
*IC研究会:クレドを読んでから会議をスタートする
          行動規範:相手を理解してからこそ理解される
          IC化することは目的ではなく手段である
         目的:ICカードという新たな手段で新たな価値を創造すること

■アメニティとローコストの両立  
*マグネットカードよりICカードが使いにくい点:残高がわかりにくい

■公共交通機関利用促進サービス〈ショップdeポイント〉  
*鉄道は移動手段→移動目的は別  
*店にICOCAなどを提示すると割引や飲料をプレゼントするというシステム
   ・客:店での割引により運賃実質負担ゼロ
   ・鉄道:値下げをせず、利用者数UP
   ・店:鉄道会社によるPRにより広告費ゼロで利用者数UP
      鉄道利用客の割合が増え、駐車スペースが空く
   ・社会:エコ、CO2削減

■PITAPA  
*PITAPAの意味:電車を都市のエレベーターにする

■アジア共通ICカード構想  
*お互いのマーケットをアジア全域に広めることができる   →アジア全体の発展に貢献  
*アジアをリードする関西としての位置づけ

スルッとKANSAIは客・鉄道会社・店・社会に利益をもたらすシステム作りなどたくさんのアイデアを用いり多種多様なサービスを生み出し続けています。 今後のスルッとKANSAIの発展に期待大ですね。 また、図や表を交えたパワーポイントによる横江さんのプレゼンは大変わかりやすく、聞き手の理解を促すものであり、大変参考になるものでした。 多くのことを学ばせて頂き、密度の高い大変貴重な時間となりました。

 

【レポート:立命館大学2回 寺田加奈】