例会報告
海江田 万里 氏

【第581回5月大会】

 
日 時 : 平成18年5月22日(月)
場 所 : 京都全日空ホテル
講 師 : 海江田 万里 氏 ( 前衆議院議員・経済評論家 )
テーマ : 「政治・経済〜裏話」





第581回5月大会は前衆議院議員・経済評論家の海江田万里氏をお招きし、京都全日空ホテルにて開催されました。

(※主催者から一言:テーマが政治経済裏話でありましたので、差し障りの無い部分だけをレポート掲載いたしました。悪しからずご了承下さい)

■ 8年ぶりに
本日はお招きいただきましてありがとうございます。皆様方のお顔を拝見できてほんとうに喜んでおります。今回経済人クラブにお招きいただくのは8年ぶりでございます。高坂会や、早坂会、そして、海江田会がありまして良く来させて頂いておりました。
まあ、8年の間に色々なことがございました。私が衆議院に行くと言うこともありました。そして、今日は新幹線で来たのですが、きちんと料金を払って乗ってきました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、国会議員は新幹線などの無料パスが付くんですね。一応、乗車券を発行してもらうんですが、乗車券の右下に『国会』とついて料金のところが0円。つまりただなんです。やはり新幹線はお金を払って乗るのがいいのかなぁと思っております。

■ 『私は変わる』
小沢さんが代表に就任いたしました。私もメールはあまり好きではないのですが、『メール問題』で前原執行部が退陣いたしまして、小沢さんが代表になったわけですが、あの小沢さんが『変わる』と言った。最近の民主党は非常にまとまっていると思います。これは小沢さんが「『変わる』と言ったからまとまり始めた。」 というものではありません。小沢代表になってはじめての仕事と言ってもいい千葉の補欠選挙が大きな意味合いのある選挙になったわけですが、これで民主党が勝った。これが、小沢代表、ひいては今の民主党の求心力を高める結果となったんです。

■ 代表の醍醐味は
皆様の方の中にも会社を経営なさっている方がたくさんいらっしゃると思うのですが、代表、代表取締役になったと実感する瞬間と言うのは何でしょうか。私は、人事の時だと思うのですね。役員人事で自分に論功のあった部下を取り立てるとかね、これが経営者の醍醐味だと思うんです。しかし、小沢代表は、就任早々役員人事に手をつけなかった。これも『変わった』と思わせる大きな理由だったのですが、もう少し違う理由があると私は思っております。

■ 鳩山幹事長留任
小沢さんと非常に仲が良いのは、鳩山さんですね。二人の仲は非常に良い。小沢さんと菅さんと言うのはまあ微妙なですが、鳩山さんと菅さんも非常に仲がよい。代表戦の前は、勝った方が代表で、負けたほうは幹事長だと言うような話も流れましたが、小沢さんはそうしなかった。これは、やはり鳩山さんを幹事長にしたかったからだと思います。しかし、自分の取り巻きや、仲のよい鳩山さんだけを幹事長に起用すれば、党内から非常に批判をかう可能性もある。そのことを踏まえ、前執行部を再任したと考えています。

■ 自民党総裁選
9月には、自民党の総裁選があります。世論の動向を見ていますと安倍さんが有利な展開です。参院選挙もありますし、これは安倍さんで決まりだと思います。しかし、小沢さんと対抗することを考えると若干の変遷はたどるのではないかと思っております。

■ 参議院選挙と参議院の重み
皆さんご存知だと思いますが、参議院には解散がありません。そして、任期は6年あります。昨年の解散総選挙では与党が2/3を獲得して何でもできるような状態ですが、参議院に目を向ければ、あまり与野党での議席差は多くないんですね。小泉旋風があれくるった2001年の参議院選挙では、地方に一人区という、一人の候補者しか当選しない選挙区がるのですが、全国27の一人区で、自民党が25選挙を占めました。野党が勝ったのは、小沢さんの地元の岩手と、岡田さんの地元の三重だけ。そういった悲惨な状況でした。しかし、2004年の参議院選挙。これは『年金選挙』といわれた選挙ですが、これは非常に追い風も吹き、27選挙区中、自民党が14議席、民主党系が13議席を獲得することが出来ました。比例代表でも自民党を抜き第一党としての地位を確保いたしました。そして来年の参議院選挙を迎えます。これは、2001年の小泉ブームで当選してきた人数ですから、2004年並に戦えば非常に大きな成果を得られると考える人がおります。

■ サプライズ
来年の参議院選挙で与野党逆転を目指して張り切っているのは小沢代表です。これは、色々あるのですが、やはり参院での与野党の議席差が少ないと言うのが大きいと思います。今大体、議席差は約40議席。21議席ひっくり返せば、逆転となるわけです。そして、参議院の主導権を握り、予算などを通せなくしようと考えています。そうなれば、次期自民党政権は、来年の6月の選挙を経て、参議院で与野党逆転、12月には予算を確定させなければなりませんから、10月解散を選ばざる得ません。そういった戦略を描いているのがまさに小沢さんなのです。
そして、小泉さんも今年の9月で任期が切れます。最後にサプライズを狙うと、北朝鮮への再々訪問などが巷では囁かれていますが、私は、イラクのサマワに行くんじゃないかと考えています。これはやはり、小泉さんが派遣したのですから、最後に見ておこうと。こういったことを、小泉さんは考えているのではないかと思っております。
 

レポート:飯田哲史(同志社大学3回生 )